広田地区防災計画

3.地区の特性

1.広田地区の特性

広田地区は、本市の南東部に位置し、田んぼが広がる農村地域でしたが、昭和54年9月から平成元年にかけての早岐東部土地区画整理事業により、宅地・道路等が整備され、急速に市街地化が進んだ地域です。

北東側から東側、南側にかけて山間部が広がり、早岐瀬戸に至る比較的平坦な中央部に宅地、商業施設が集中している地域です。

中央部周辺の山間部には、土砂災害警戒区域などの警戒区域が点在し、大雨や台風では、崖崩れ、土石流、地滑りなど土砂災害が予想されます。

また、従前の農業地域の名残で、山麓部には多くの堤・溜池が点在しており、その 管理も課題となっています。

地区内、小森川、金田川等の全ての河川は、いずれも早岐瀬戸にそそぎ、早岐瀬戸の潮位の影響を受けます。

また、小森川上流には下ノ原ダムがあり、大雨時のダム放水による河川増水にも、十分な注意・警戒が必要です。

早岐川・小森川洪水ハザードマップ(以下「洪水ハザードマップ」という。)で想定されている最大雨量でなくても、大潮・満潮と大雨が重なれば、道路冠水や住宅浸水に至る内水氾濫や河川の氾濫が予想されます。

 地震について、当地区に一番近い活断層大村・諫早北西付近断層帯があり、M7.1震度4~5強が想定され、家屋倒壊、崖崩れ、津波被害が予想されます。土砂災害警戒区域などの警戒区域が点在する箇所では、特に注意・警戒が必要です。

※洪水ハザードマップ:河川の破堤、はん濫等の浸水情報、及び避難に関する情報を住民にわかりやすく提供するため、市町村が作成し公表するもの。

(令和3年6月公表予定)

【参考】地区の過去の災害
災害名称 及び災害発生年月日 災害による被害状況と当時の状況
昭和23年の低気圧による豪雨
昭和23年9月11日             
9月11日、突如佐世保地方は豪雨に襲われた。浸水家屋8,200余戸、流失、半流失あわせて645戸、溺死、行方不明77名、道路の損壊、橋の流出、がけ崩れなど損害は12億円という巨額に達した。
昭和42年7月豪雨
昭和42年7月9日
7月9日、数日前から降っていた雨が、時間雨量124mmの集中豪雨となり、すでに増水していた市内の諸河川に周辺の山地から鉄砲水となって流れ込んだ。相浦川、佐世保川、日宇川、小森川などの諸河川の堤防は相次いで決壊し、濁流が市街地、住宅地を襲った。死者29名、負傷者270名、床上浸水6,125世帯、床下浸水7,462世帯、家屋流出236戸の大被害となり、水道は本管の破損により3万世帯の断水となり、道路破損、がけ崩れも多かった。
出典:佐世保市史

昭和42年7月9日 (佐世保大水害)

提供:大室貞人氏

2.地区のエリア分け

 広田地区は広範囲に拡がっていることから、地区を次の6エリアに区分して想定される被害を検討します。

Noエリア世帯数町内会等
重尾町733重尾町公民館、重尾新町自治会、春陽台自治会
浦川内町・広田三丁目1,343浦川内町自治会、広田三丁目自治会、上宮崎自治会、下宮崎自治会
崎岡町1,262崎岡町自治公民館、公営崎岡住宅自治会
広田町・広田一丁目1,014上宮崎自治会、鶴が丘自治会、広田花立自治会、小森自治会
広田二丁目・広田四丁目606下宮崎自治会、広田宿舎自治会
中原町238中原町町内会
(令和3年1月1日現在)

                            

エリアの特性

1.重尾町エリア

山間部にかこまれ、金田川周辺に宅地が広がる地域で土砂災害警戒区域などの警戒区域が点在し、土砂災害に注意・警戒が必要な地域です。

大雨時には、県道や市道が合流する重尾町公民館前付近の交差点周辺に雨水が集中し、金田川への排水が十分でないため道路冠水、宅地浸水の恐れがあり、注意・警戒が必要です。地区西側の碧水橋の交差点付近も道路冠水への注意を要します。

地域内には従来農業用水として利用されてきた堤・溜池が点在しており、その管理・防災対策が課題となります。

2.浦川内町・広田三丁目エリア

北側から東側及び南側に広がる山間部と、早岐東部土地区画整理事業により整備された平坦な住宅地で形成されている地域です。

山間部では、土砂災害警戒区域などの警戒区域が点在しており、土砂災害への注意・警戒が必要です。

県道と市道が合流する広田三丁目バス停周辺に雨水が集中し、道路冠水や宅地浸水の恐れがあります。

また、従来農業用水溜池として利用されてきた、堤、溜池が点在しておりその管理・防災対策が課題となります。特に、宮ノ浦溜池は規模が大きく、記録的な大雨による越水や堤体崩壊の可能性があり、大規模な災害が想定されます。

浦川内川は、早岐瀬戸の大潮・満潮時の大雨では、一部標高の低い地域で、道路や宅地への浸水の可能性があり注意・警戒が必要です。

3.崎岡町エリア

4つの谷があり、山麓部周辺の住宅地と、早岐瀬戸沿いに造成された住宅地で形成されています。

山間部では、土砂災害警戒区域などの警戒区域が多く点在しており、土砂災害に注意・警戒が必要な地域です。

崎岡町公民館前の市道や、崎岡川流末付近の県道周辺では、過去、大雨による道路冠水、宅地浸水の被害が出ています。同様に、岡の谷川流末付近の崎岡西公園周辺でも道路冠水や宅地浸水への注意・警戒が必要です。

4.広田町・広田一丁目エリア

小森川、金田川と一般県道平瀬佐世保線及び東側の丘陵に囲まれた比較的平坦な地域です。地域内に点在する小規模な「土砂災害特別警戒区域」の急傾斜面は、経年による風化が進んでおり、注意・警戒が必要です。

また、碧水橋付近の通称「五段堤」は大雨時の越水や堤体崩壊の可能性があり、堤の管理・防災対策が課題となります。

河川に隣接した一部地域では、洪水ハザードマップの浸水想定区域があり、想定しうる最大規模の大雨でなくても、早岐瀬戸の大潮・満潮と大雨が重なると、河川の水位が上昇し、道路や宅地浸水の恐れがあり注意、警戒が必要です。

地域内には、幅員が狭い道路があり、災害時に緊急車両の進入が困難な地域では、救助活動に時間を要する事態が想定されます。

5.広田二丁目・広田四丁目エリア

高低差の少ない平地に住宅地、商業施設、工業施設が混在する地域です。北側に小森川、中央部に金田川、南側に浦川内川が、早岐瀬戸へと流れ込んでいます。

小森川周辺には、洪水ハザードマップの浸水想定区域がありますが、地域内2河川も同様に、想定しうる最大規模の大雨でなくても、早岐瀬戸の大潮・満潮時の大雨では、道路冠水や宅地浸水の恐れがあり注意・警戒が必要です。 特に、石浜橋周辺の道路は、過去の大雨時に、道路冠水があり注意を要します。

6.中原町エリア

当エリアは、急傾斜地と中原渓流、及び小森川に囲まれた、住宅が密集する地域です。急傾斜地の対策工事及び砂防ダム完成までには期間を要するため土砂災害への警戒が必要です。車で避難可能な道路は中原橋のみであり、新橋梁が完成するまでは早めの避難を心掛ける必要があります。小森川にそそぐ中央部の排水溝は、早岐瀬戸の大潮・満潮と大雨が重なると、小森川水位が高くなり、住宅地への浸水がたびたび起きている地域です。洪水ハザードマップに示されている浸水想定区域と合わせ、厳重な警戒が必要となります。

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